Posts Tagged "遊戯療法"

遊戯療法の前意識的交流におけるセラピストの役割

弘中正美. (2012). 前概念的レベルにおけるコミュニケーションー遊戯療法・箱庭療法などにおける治療メカニズムについてー. 明治大学心理社会学研究. 8, 35-46.

遊戯療法や箱庭療法において非言語的洞察がないにも関わらず治癒的な働きが生じるのは、それらにおいてはイメージ表現が意識と無意識の中間にある前意識を活性化させるからである。前意識の領域において生じる言葉にしにくいが本質的な体験を前概念的体験と呼ぶ。この前意識的体験には問題の解決を方向性を暗黙裡に示されており、触れているだけでも治癒的な働きが生じるのである(弘中, 1995)。 続きを読む

非言語的表現による治療的変容の機序

弘中正美. (1995). 表現することと心理的治癒. 千葉大学教育学部研究紀要. I, 教育科学編, 43, 55–65. Retrieved from http://ci.nii.ac.jp/naid/110004715487/

フロイトによれば、心理療法における治癒は無意識的なものを意識化することによってもたらされる。フロイトの局所論では心を階層的に意識、前意識、無意識の三つに分ける。無意識は心の深層にあり直接触れることのできない。そのため意識と無意識が交流する前意識を通して、そこに立ち現れてきた無意識を明確な形で言語化(=洞察)するのである。 続きを読む

意識と無意識の統合としての人格の発展/ドラ・M・カルフ『カルフ箱庭療法』

ドラ・M・カルフ(1972)カルフ箱庭療法[新版] p.1-40 誠信書房.

創始者カルフによる箱庭療法の解説書です。箱庭療法は子どものための精神的な治療方法として考案されました。箱庭とは、砂を入れた木製の四角い箱のことです。箱の底は水を象徴する水色に塗られており、傍らには人間、動物、植物、建造物といった様々なミニチュアが用意されています。子どもは砂とミニチュアを自由に使って、なんらかの風景を作っていくことになります。

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